これを使えばもしかしたら。
私はすぐにバケツに水を汲み、廊下に運ぶ。
廊下では、まだ叫び声が聞こえる。
だんだんとエスカレートしていく叫び声。
ついに胸倉を掴んでいた男の子が拳を振り上げる。
その瞬間に、バケツを持ちあげて勢いよく
―――バシャッ
ケンカ中の二人にぶっかけた。
その瞬間、シーンと静かになる周り。
周りの人たちの視線は当然私に集まる。
…どうしよう。
ケンカを止めたのはいいけど、なにか言わなくちゃ。
なにか気を引く言葉を…。
私は必死に次の言葉を探して、やっと言った。
「ごっめ~ん、手がすべちゃった♪」
どう考えたって挑発してるこの言葉。
だけど、この言葉で意識が私に向けばケンカもとめられるはず!



