「龍樹、ありがとね」

「…..どうしたんだよ。急に」



いきなりお礼を言った私に対して不思議そうな顔をする龍樹。


そりゃ、そうだよね。いきなりお礼を言うなんて。


でも今言いたくなっちゃったんだもん。


「何でもないよ」


龍樹の優しさに気付いて嬉しくなって笑顔でお礼を言う。


最初は脅されて無理やり付き合ったけど、今はそうでもないなって思ってる自分がいる。


むしろ龍樹の隣にいられることが嬉しいなんて….。


昨日からずっと私って変じゃない……?


龍樹に対してなんか….その…ド、ドキドキするし。


なんなんだろう…これ…。


私はこの感情に気づけないままだった。