急いでカバンを持ち、教室を出ようと扉に手をかけた時、


―――ガラッ



教室の扉が開いた。



えっ、な、なんでかってに扉が開くの!?



そう思って扉を見ると、少し驚いたように目を開けている龍樹がいた。


「りゅ、りゅうき!? 帰ったはずじゃ…」

「あ?なに言ってんだよ、お前。俺との約束忘れたのかよ」



約束? 何のことだっけ。


「放課後は一緒に帰るってこと」

「あっ….」



そうだった。思い出した。


付き合うときに言われたんだった。


他のことを考えていたせいで、すっかり忘れてた。