こないでと言われたことを無視して、藤野理紗ちゃんに近づいて、私は彼女の前に座り込んだ。
「….ねぇ、手出してもらえる?」
私がそう言うと殴られるとでも思ったのか、構えていた藤野理紗ちゃんは、拍子抜けしたような顔をした。
「なんでよ!?」
彼女がそう言ってるのも聞かずに藤野理紗ちゃんの手を強引にとった。
赤く脹れて、痛そうな手のひらになるべく優しくシップを貼る。
「…大丈夫…?痛まない…?」
私が優しく聞くと、理紗ちゃんはビックリした顔になった。
「なんで….」
「優乃!!」
理紗ちゃんが口を開いたときに、後を追いかけてきたであろう龍樹が入ってきた。
「お前、傷だらけなんだから…..」
「龍樹、少し理紗ちゃんに話したいことがあるからいい?」
なにか言いかけた龍樹の言葉を遮る。
「理紗ちゃんは龍樹のことが好きなんだよね?」
「う、うん」
なにか言いたげな龍樹の視線を無視して、藤野理紗ちゃんに聞くと、そんな戸惑いがちな答えが返ってきた。
その姿はやっぱり恋する女の子だった。



