「ひどいなぁ~。同じクラスの藤野 理紗(ふじの りさ)だよぉ」


そう言って龍樹の腕に抱きつく女の子。


うう、龍樹は私の彼氏なのに……。




「りゅ、龍樹は私のです!」


そう思った私は反対側の龍樹の腕に抱きつき、そう言った。


は、恥ずかしい…。


だけど、龍樹が他の女の子に触られてるの、嫌だったんだもん…。


「は~、なにそれ、かわいすぎだろ…..」

「…へっ?」



顔が赤くなり思わず下を向いてると、上からそんな龍樹の声が降ってきた。


―――グイッ


突然龍樹の腕を掴んでいた手が引っ張られる。


「つーわけなんで、俺、コイツと付き合ってんだよ」


―――チュッ


龍樹のそんな声と共に振ってきたキス。


「行くぞ」


いきなりキスされたことに驚いて突っ立てると、手を握られそのまま教室へと行ってしまった。