「ち、ちがっ、これは、そのっ。」
否定しても無駄な言葉を並べて必死に言い訳をしているふりをする。
私の役目はもう終わった。
あとは二人が去るのを待つのみだ。
「なにがちげ―んだよ。次こいつに何かしたら許さねえから。もう近づくな。」
最後までカッコいいことを言う、村澤くん。
村澤くんは香帆ちゃんの手を取って、この場を去った。
私は一人この場に残された。
よかったね、香帆ちゃん、村澤くん。
やっと二人の気持ちが通じ合った。
これで二人とも、幸せになれたよね?
――ポロポロ。
あれっ、私、なんで泣いてるんだろう?
二人の想いが通じ合って嬉しいはずなのに、なんでっ…..?
私の瞳からは、涙が出てきて止まらない。
こうなることを、望んでいたはずなのに…..。
「….ヒック…..ヒック……」
….ねぇ、村澤くん。
今だけは、あなたのことを想って泣いてもいいですか?



