悪役お姫様~人気者王子は甘々彼氏~




「あんた、気に入らないのよ!村澤くんにベタベタくっついて!!」


あらかじめ用意していたセリフを言う。


こんなこと思ってないけどね。


そのとき、近くからわずかな足音が聞こえた。


きっと、村澤くんだろう。


もうすぐ私が呼び出した時間になる。


香帆ちゃんは気付いていないみたい。


村澤くんはコンクリートの壁に隠れて、こちらの様子をうかがっている。


怯えているのか、なにも言わない彼女にさらに私は続けて言う。



「もう、謙太くんに近づかないで!」

「ぃ…..ゃ…….だ……。」


やっと発した声は小さく震えていた。


「なに? なんか言った?」


聞こえたけどわざともう一度、聞きなおす。