《side 晴》



…おかしい。


授業が始まって、すでに10分が経った。



心が…日誌を取りに行ったっきり戻ってこない。


俺はイライラして、机を一定のリズムで叩いていた。



「うるさい晴!ここちゃんいないからってイライラしない!」



隣に座っていた誠が、俺の頭を打った。


別に痛くないから何も言わないけど…もう無理だ。


俺は席から立ち上がり、化学室を出ようと扉に向かって真っ直ぐ歩く。