「はい、なんですか?」 「女優という職業に興味はありませんか?」 「…….。」 そんなの考えたことない。 だって毎日必死で 未来のことなんて考えたことがなかったから。 「たぶん遠回しに言ってもわかってもらえない と思うのではっきりいいます。 “あなたをうちの事務所にスカウトしたい” んですが… もし、やりたいのであれば この事務所に来てください。 いつでも待ってますから」 そう言ってその人は 名刺とやらを私に渡してきた。