屋上のドアを後ろ手に閉めた瞬間、あたしは大きく息を吐き出した。
松田さんと会話している間ずっと呼吸を止めていたように、ひどく息苦しい。
息を吐ききった瞬間、ボロボロと涙がこぼれてきた。
声を出して泣きそうになるのをグッと我慢して、一番近い女子トイレへと駆け込んだ。
個室で鍵をかけ、自分の指を噛んで嗚咽を殺す。
松田さんの、チケットを受け取った瞬間の嬉しそうな顔を思い出す。
あたしは最低だ……!!
松田さんは必ず当日現れるだろう。
あたしの言葉を疑う事もなく、クラスメートたちと一緒にイベントに行けると信じて。
「……っ!」
あまりに強く噛み過ぎたせいで、人差し指の第一関節から血が流れた。
鉄の味がジワリと広がり、脱出の際に死んでいったみんなの顔を思い出した。
途端に吐き気が込み上げてきて、あたしはそのまま便器に嘔吐した。
あたしは一体なにをしているんだろう。
友達を騙し、チケットを渡して、そんな事に必死になって……。
自分が死ねばよかったんじゃないか?
翔吾と2人になったあの部屋で死ぬのは、やっぱりあたしだったんじゃないか?
そんな気さえしてくる。
松田さんと会話している間ずっと呼吸を止めていたように、ひどく息苦しい。
息を吐ききった瞬間、ボロボロと涙がこぼれてきた。
声を出して泣きそうになるのをグッと我慢して、一番近い女子トイレへと駆け込んだ。
個室で鍵をかけ、自分の指を噛んで嗚咽を殺す。
松田さんの、チケットを受け取った瞬間の嬉しそうな顔を思い出す。
あたしは最低だ……!!
松田さんは必ず当日現れるだろう。
あたしの言葉を疑う事もなく、クラスメートたちと一緒にイベントに行けると信じて。
「……っ!」
あまりに強く噛み過ぎたせいで、人差し指の第一関節から血が流れた。
鉄の味がジワリと広がり、脱出の際に死んでいったみんなの顔を思い出した。
途端に吐き気が込み上げてきて、あたしはそのまま便器に嘔吐した。
あたしは一体なにをしているんだろう。
友達を騙し、チケットを渡して、そんな事に必死になって……。
自分が死ねばよかったんじゃないか?
翔吾と2人になったあの部屋で死ぬのは、やっぱりあたしだったんじゃないか?
そんな気さえしてくる。