優也さんと2人で《mother》の近くまでやって来たのは時計が14時を指した頃だった。


集合時間まで、あと3時間。


あたしはスマホを取り出し、メッセージを確認した。


ファミレスで送ったメッセージの返事が一件だけ来ていて、それは公恵からだった。


《もちろん! 行くよ!!》


沢山の絵文字付きでそう書かれたメッセージ。


公恵は心配しなくても来てくれるだろう。


でも、他のメンバーはどうしたのだろう?


あたしは新着メールが届いていないか確認しながら首を傾げた。


松田さんはメッセージを返すようなタイプじゃないように見えるからいいとして、清水君は?


あの人はメールやメッセージにすぐ返信するように見える。


しかし、新着は届いていなかった。


「とりあえず、あのカフェに入ろうか」


優也さんにそう言われ、あたしたちは《mother》の正面にあるカフェへと足を向けた。


最近では見慣れなくなったレトロな喫茶店で、中に入ると落ち着いた大人の雰囲気があった。