プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負

「そっちも野球やめたんじゃなかったの?......って、風の噂で聞いたけど」

「一回やめたけどな。
もう一回やることにしたんだよ」


榎本実に動揺が見られたのは一瞬だけで、すぐに元に戻ったけれど、敦士が野球を始めたと聞くと、また困惑しているのが分かった。


「お前は?いいの?
このままやめたら、俺に負けっぱなしじゃね?」


二人の間に何があったのかよく分からないけど、何か因縁があることはたしかみたい。

そのまま口を出さずに、一輝くんと見守る。


「......悪いけど、今日のところは小野くんも西川さんも帰ってくれる?」


ちっ、敦士の挑発にのってくるんじゃないかって期待したのに、やっぱりダメか。

あたしの名前を知っていた榎本実にこっそり舌打ちしてから、今日は引きましょうと背を向ける一輝くんの後を追う。


「君は残って。......高田敦士。
二人で話したい」


意外なことに敦士を呼び止めた榎本実に驚きながらも、そのまま敦士だけを残し、あたしたちは図書室を出た。