「もしもそんな人がいたとしても、五秒で飽きる」


そういう人をパートナーにした方が良いのかもしれないけど、世間的にはそれを幸せって呼ぶのかもしれないけど。

あたし的に、そういう男は向いてない。


「だって、つまんないでしょ。
簡単に自分が一番いい状態を維持できて、黙っててもあたしを理解してくれる男なんて」


優しいだけの男はノーサンキュー、顔だけ男もノーサンキュー。

サンキューなのは、ワクワクさせてくれる男だけ。
一輝くんだけ。


「理解してなくても、あたしを傷つけても、一輝くんがいい。一輝くんだけ、飽きない」

「......加藤さんは......」


一輝くんは全ては言わなかったけど、秀の名前が出てきただけで、なんとなく一輝くんの言いたいことを察した。


「秀のことは大好きだし、大切な存在だよ。
あたし昨日の夜、秀に会いにいった。
二人きりで、みんなに内緒で会ってたの」

「え?」


包み隠すことなくそう言えば、一輝くんは当然ながらけげんな顔をする。