プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負

森村は先生に説教を食らい、みのるは自分の打席の準備のためネクストボックスに入り、敦士はベンチの前の方にいる二年のとこにいくと、また一輝くんと二人になる。


「そうだ、一輝くんテーピング。
どこか痛めたの?あたしやろうか?」


敦士から話しかけられ、森村の乱入により、ナアナアで流されてったけど、なかったことになったんかな。

流されたなら、あたしとしてはそっちのが有り難い。


「自分でやるけん、大丈夫です」


曖昧に流そうとしたあたしに、一輝くんはそれ以上深く聞いてくることはなかったけど、どうも気にしてないわけではないらしい。


「......そう」


わざとらしく他人行儀な態度をとった一輝くんに、あたしも何かつっこむことはやめて、黙ってテーピングを渡した。

無言で受けとると、ベンチに座ってそれを巻き始めた一輝くんに声をかけることはあきらめて、グラウンドを見ながらも、遠巻きに一輝くんをチラ見する。


大事な試合の最中に集中してないどころか、敵のキャッチャーばっかり見たあげく、しかも、それをどさくさに紛れて流そうとしようなんて、当然不快な気持ちにもなるよね。