プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負

「ていうか、ヒット打ったんなら、なんで戻ってきてんの?点入ってないのに」


ここにいるあたしたち四人、さっきのやりとりで、全員森村の活躍を見ていなかった組は、みのる以外は森村にフォローを入れることもなく、気になっていたことを聞いた。


「.......それはですね......、盗塁しようとしたらキャッチャーに刺されました」


それを聞くと、今までガゼンテンションの高かった森村が、急にしゅんとなって、答えにくそうに小さな声でそう答える。


「秀、銀月館のキャッチャーから盗塁しようなんてアンタ、命知らずな......。サインが出てたなら仕方ないけど」

「いえ、.......サイン読み間違えました」


せっかくヒット打って塁に出たのに、盗塁のサインも出てないのに、勝手に盗塁したあげく、アウトになったって?

ヒット帳消しどころか、アウトカウントひとつ増やしてんじゃん。


「はぁ?」


マジでアホだ、こいつ。

ヒット打ったことは誰も見てなかったのに、心底森村に呆れて、そこだけは全員ハモった。


「森村、ちょっとこい」


腕組みをしながら仁王立ちしていた先生が、こちらに背を向けたまま、低い声を出す。


「早くいきなよ、ほら」


救いを求めるようにあたしの目を見ていた森村に一切の情けもかけることなく、先生の方へ、ベンチの外へ外へと追いやった。