プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負

「みどり何で、......みどり先輩」

「もうみどりで良くね?」


あたしに何かを言おうとしていた一輝くんをさえぎり、それを耳ざとく聞いていたのか、ベンチの最後列にいた敦士がこちらに視線を向ける。


「お前ら、また付き合いだしたんだろ?
そんな何回も言い直されると、逆に気まずいわ。
隠してるつもりかもしれねーけど、けっこう気づいてるやついるから」


名前を呼び直したり、妙にわざとらしいあたしたちに、敦士は呆れたようにため息をつく。

たしかにこっちとしては隠してるつもりでも、完全に周りに気づかれてる時、それでも必死で隠そうとしてる時、痛々しいことこの上ない。


「俺もマネと付き合ってるし、別に隠す必要なくね?
なあ?」


敦士の隣に座っていたみのるは、いきなりそんな話をふられて驚いてるようだったけど、それでも苦笑いでうなずいた。


「ああ、でも、あいつにはもうしばらく黙っとけよ。
メンドーだから」


敦士が指を差したグラウンドにいるあいつ、メンドーなやつを見て、あたしもそれに即座に同意する。


「あ、うん、分かってる」


一輝くんと付き合ってることを森村に知られたくない、とか、あいつに少しでも気がある、とかでもなく。

事後処理がメンドーだから、ひたすらそれに尽きる。


みなまで言わなくても、一瞬目を合わせただけで、敦士とあたしの間で通じあってしまった。