プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負

「テーピングどこにあると?......、みどり?」


スコアだけは機械的につけていたものの、完全に上の空で一輝くんから話しかけられていたこともまるで気づかず、腕をつかまれてようやく気づいた。


「え?あ、ああ、ごめん。なに?」


どうやら何回も呼ばれていたらしく、スコアはきっちりつけているのに、呼びかけに全く反応のなかったあたしに一輝くんは不思議そうな顔をする。


「テーピング、どこにあると?
ずっとよんどったんよ。さっきから何見て、」


それからあたしの視線の先をたどっていった一輝くんは、その先にいた人物をみて固まった。


「あの人をずっと見とったと?みどり、......先輩」


まだみんなにはまた付き合い出したことは言ってないため、みんなの前では一応今まで通りに振る舞っている。

つもりなんだけど、ついうっかり二人の時の呼び方が出てしまった一輝くんが、不自然なまでに先輩を付け加えてきた。


「そういうわけじゃ......」


それについてつっこみを入れるよりも、一輝くんよりもあたしの方がずっと不自然な態度をとってしまった。

自分でも引くくらいにわざとらしい言い方。


別にグラウンドにいる秀、試合中の相手のキャッチャーを見ていても変ではないはず。

浮気したわけでも、心移りしたわけでもないし、やましいことなんて何もない。

だけど、自分のチームの応援よりも、幼なじみの秀のことばかり考えてしまっていたこと。昨日の夜、一輝くんに内緒で秀と密会してたこと。

否定しようもない事実が、後ろめたさとなって、それがそのまま不自然な態度であらわれてしまう。


堂々と、うんちょっと見てたって答えれば、それで流されていく話だったのに、あたしが必要以上に動揺した態度をとってしまったから、一輝くんまでけげんな顔をする。