プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負

ベンチをじっと見て、先生のサインを確認すると、ひとつうなずいて、バットを構える一輝くん。

マウンドにいる裕貴も、秀のサインを確認すると、一度で首を縦にふる。

それから、真剣な表情で向かい合う二人。


一輝くんがホームラン打てたらあたしの勝ち、裕貴が一輝くんを完璧に抑えたら裕貴の勝ち。


ピッチャーにメガネくんが出てきた時点で、一年越しの約束が果たされることはないと思っていたのに、思いがけない形で実現することになるなんて。

一輝くんが、裕貴が、秀が、何を考えてるのかまでは分からないけど、ようやくあの約束が果たされる時がきたんだ。


今日はヒッティングの機会がなかった一輝くんだけど、ツーアウト満塁のこの状況では、さすがにバントはないでしょ。

すっかりそう思っていたのに、裕貴が投げる直前に、一輝くんはバットを短く構え直して、バントの構え。


......嘘でしょ!?
ツーアウトでバントなの?

セーフティバント狙いってこと?

ただでさえ銀月館の内野陣からセーフティ狙おうなんて厳しいのに、この前進守備の中でセーフティなんてムチャがある。

もう......っ、なんでそこまでバントに固執するのよ......っ。



先生が何考えてるか本気で分からなくて、その背中を睨みつけてみても、腕を組んだままグラウンドを見つめる背中は微動だにしない。