プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負

「一輝くんの活躍が見たくて......。
ごめんね、どうかしてた」

甲子園まできて、チームより彼氏優先ってどうなのよ。

少し冷静になってみればあまりにも自分本意な考えをしていたことにようやく気づく。


「よかよ、全然気にしとらんけん」


だけど一輝くんは責めたりすることは一切なく、ただ優しい目であたしを見つめる。

なんか、......、一輝くんのこういう対応もまた妙に気まずい、てか慣れない。

対応に困る。
いっそ批判してくれた方が、まだありがたい。

ヨリを戻してからの一輝くんは、あたしに甘すぎ。


この甘ったるい空気に耐えきれず視線をそらすと、一輝くんはあたしの頭に手をのばしたけど、ギリギリのところでそれを引っ込める。

そして、照れたように笑ってから、次の回の準備のために、キャッチャーの道具を付け始めた。


......。

付き合っていることは公表すると二人で決めたけど、あれから試合試合で、のんきに交際発表している場合でもなかったし、まだ理穂以外には言えてない。

みんなに言ってないこともあったし、いくらあたしたちでも試合中にイチャイチャしたりはしない。......しないはず。

一応最低限の節度はもっているつもり。


そんなわけで、一輝くんの手があたしに触れることはなかったけど、さっきのちょっとしたやりとりがなんだか嬉しくて、顔がにやけちゃう。すき。

ほんの数秒前まではイライラしてたのに、あれだけで機嫌が直っちゃうなんて、あたしってほんと単純。