プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負

敦士にはフルスイングでいけと指示を出しといて、一輝くんは最初からバントの構え。

一輝くんはバントからバッティングに切り替えることもなく、一塁線上にボールを転がし、犠牲バントで確実にランナーを二塁へと進めた。


またバントか......。

もちろんバントも戦術のひとつだし、ランナーを送るのも大事なこと。監督の采配にどうこう言おうってわけじゃない。

でもさぁ、これで三回目だよ?
今日の一輝くんの全打席、バントの指示ってどういうことよ?

あんまり打てない下位打線の子には、ランナー送った方がいい場面でもヒッティングの指示出したりもするのにさ......。

敦士についで打率がいい一輝くんにバントばっかりさせるってどういうこと?

一輝くんはちゃんとチャンスの時に打てる子なのに、なんでよ。


なんかちょっと、ひいきじゃないけどさ......。


「ナイスバント!ナイスコースだった。
うちで一番安心してバントを任せられるのはお前だな」

「ありがとうございます!」


一塁でアウトになって、走ってベンチに戻ってきた一輝くんに声をかける先生。

あたしが先生に不信感を抱いてるにも関わらず、一輝くんはいつものように何の曇りもないまぶしい笑顔を見せる。