翌日、予定通り第一試合から星が丘と銀月館の試合が行われた。


甲子園では連日晴れが続く中、今日も快晴。

お昼からの第二試合の方がもっと暑いとは思うけど、第一試合の今も十分暑い。


猛打の銀月館と言われているわりには、三回までは不気味なくらいにおとなしく、三者凡退0点に抑えてたけど、打者がちょうど一巡した四回表。

これまで大人しかった打線が一気に爆発したかのように、一気に三点のリードを奪われた。


「......ごめん」

「上出来上出来。まだ回浅いぞ」


四回の表が終わり、若干気落ちしたように肩を下げてベンチに戻ってきたみのるに対して、にこやかに声をかけるベンチの外に出ていた先生。


「あの銀月館相手に、ここまで三点で抑えられてるだけでもスゲーよ。自信もっていいんじゃね?」


キャプテンの敦士を始め、攻撃にうつるまえに円陣を組もうとベンチに集まるみんなも口々にみのるをほめる。


名門中の名門、圧倒的にレベルの違う甲子園常勝校が相手だけど、不思議と選手たちの雰囲気はよかった。

去年までのチームだったら、ここらで投げやりになってそうだけど、今年は全く違う。

一戦目でいいムード作れたのかな。


「......そうかな?
実は三回までは0点に抑えられて、ちょっと浮かれてた。
だけどやっぱりさすがは猛打の銀月館だね。
少しでも隙を見せると、一気にくるね」

「だな、その分取り返せばいいんだよ。
つっても、相手は銀月館だ。大量点とるのは難しい」


いくらみんなの士気は高いっていっても、このまま反撃できなければ負ける。

この調子じゃまた点取られるだろうし、銀月館の投手陣から大量点を奪うのも厳しいものがある。

どうする気なの?


先生から仕切りを任された敦士が何を話すのか、あたしを含めみんなが注目する。