プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負

そういえば、去年の予選決勝の時、一輝だけが諦めてないし、一輝だけが甲子園行けるって信じてるんだって、敦士が言ってたっけ。

だけど今は、誰も諦めてなんかないし、本当に甲子園きちゃったね。

本当に、甲子園で試合してるんだよね。


「がんばれ!」


がんばれって言ったところで、ピッチャーの球威が増すわけでもないし、何か特別な力が出せるわけでもない。

そもそもここからだと、まずあたしの声も聞こえないだろうけど、だけど言いたくなった。

がんばれって。

だって、それしかかける言葉が思い浮かばない。


負けても勝っても一生懸命やったらそれでいいなんて、結局は綺麗事だった。みのるのお父さんやパパの言う通り、やっぱり野球は勝たなきゃ意味なかった。

勝ってほしい、負けたくない。

自分が選手だったときと同じくらいか、もしかしたらそれ以上に心の底からそんな気持ちがわきあがってきて、胸があつい。


あたしが叫んだ瞬間、一瞬だけ一輝くんがうなずいたような気がしたけど、すぐにピッチャーが投球姿勢に入り、投げた一球。

難しいコースだったけど、バッターは上手く捉え、打球はライトの方向に綺麗に放物線を描いて飛んでいく。