プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負

攻撃の時と違って、守備の時はブラバンの演奏もチアの応援も、部員のかけ声もない。

聞こえてくるとしたら、時々部員が選手たちにかける声と、あとはあまり耳に入れたくないような、嫌なざわざわ。


たたでさえ守備の時は静かなのに、それに加えて諦めムードの漂うスタンドの悪い雰囲気の中。

キャッチャーマスクをつけた一輝くんが立ち上がって、指を二本立てる。


「ツーアウトー!!あとひとつ!」

「あとひとつ!あとひとつ!」


すぐにショートを守る敦士も同じことをすると、他の内野手もそれを繰り返し、外野にいるみのるも同じようにする。

なんだ......、誰も諦めてなんかいないんじゃん。


今まで何度も何度も、繰り返し見てきた光景。

そのあとひとつがなかなか取れない時もあったし、あとアウトひとつから逆転されたこともあるし、その逆だってある。

あとひとつがどれだけ難しいのか知ってるけど、今の見て安心した。

儀礼的にやってるんじゃなくて、みんなの目が本気だったから。