プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負

右隣のパパの向こうの方、みのるパパの方から、盛大なため息が聞こえてきた。

イライラというよりも全てを諦めきったかのようなみのるパパ。

ていうか、さっきからことあるごとにこんな感じだけど......。


「レベルが低い。
全国にきても、結局あいつはこんなものか」


あー!もう我慢の限界っ!


「あのっ!確かに全国レベルっていっても、地区によってかなり差があります。でも相手だってこっちだって、みんな一生懸命やってるんです。
それにたった一打席見ただけで判断するなんて、」

「まあまあ、みどりおさえて」


何かにつけてみのるをこき下ろすみのるのお父さんに、ついに怒りが爆発、食ってかかろうとするあたしをパパがとめた。

今日は初戦だからみんな緊張してるみたいですね、なんてみのるパパに苦笑いで取りなしてるのが、よけいに腹が立つ。


「でも!さっきから勝手なことばっかでいい加減、」

「実況中継だと思って」

「ド素人の実況中継ほど頭にくるものはないよね」


なかなか得点できないうえに、このクソ腹立たしい実況中継があるから、相乗効果でいっそうイライラする。

わざわざ球場にかけつけてくれたことは評価するけど、こんなこと言うためにきたの?

そりゃ高田っちとか今の顧問の成田先生だって、つまんないプレーしたら容赦なく怒声を飛ばすけど、それは野球にも部員にも愛があるからいいの。

これはただムカつくだけ。


全身から出る怒りのオーラを隠そうともしないあたしに、パパは困ったように笑いながら、我慢してともう一度言うだけだった。