プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負

ノック中だから当たり前だけど、みのるは手を振ることもなく、ニコリと笑いかけるどころか、顔をしかめることさえもなく、何の反応もなかった。

さっき凝視してたような気がしたの、気のせいだったのかな?

それでもみのるのお父さんが前列の方までくると、一瞬、たった一瞬だけだったけど、だけど確かにお父さんと視線を合わせた。


自分のお父さんがきたこと、気づいたんだよね?

ここからだと確かめる方法もないけど、たぶんそうだよね。

そう勝手に納得して、ちょうどみのるのパパに挨拶していた、うちのパパたちと、一年生部員の間の列に入る。


そうしてる間に試合前のノックが終わり、いったんみんながベンチに引き上げていく。

しばらくして、試合開始を告げるサイレンのようなあの音がなりひびくと、いっせいに両方のベンチから選手たちが出てきて、一列に整列して礼をする。


ついに、はじまるんだ。


もう今からは直接声をかけることも、してあげられることもなにもない。

できることといったら、ここから応援することくらい。


近いようで、けっこう遠いグラウンドまでの距離にもどかしさを感じながら、守備につくみんなを見守った。