プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負

ほんの数時間前まで一緒にいた、さっきも裕貴と噂に出してたばかりの一輝くん。

Tシャツにハーパンで、まるで今から運動でもするかのような格好で、ちょっと緊張したような面持ちで立っている。

そんな顔をしているにも関わらず、こんばんはとのんきに挨拶をしてきた一輝くんに気が抜けそうになってしまったけど、なんでここに一輝くんが?

付き合っていた頃なら分かるけど、敵対している今となっては、連絡もなしにくる意味が分からない。


「......一輝くん。
なにしにきたの?」


意味は分からなかったけど、一輝くんはただ立っているだけで、話を切り出してこなかったので、仕方なくあたしから話を切り出した。

立ち尽くしている一輝くんに座ることをすすめることもしないで、自分だけ椅子に座ったまま、彼を見上げる。


「さっき裕貴に呼び出されて、怒られました。

あいつは頭のおかしいイカれ女だけど、それでも俺の大事な姉ちゃんなんだ。好きなら好き、嫌いなら嫌いではっきりしろ。中途半端なことして苦しめんな。

......そう言われました」

「あいつが、......そんなことを?」


まさかさっきまで憎まれ口を叩いていた生意気な弟が、そんなことを言いにいっていたとは夢にも思わず、簡単に信じることができない。

真顔でそう言った一輝くんは嘘はついてないんだろうけど......。