プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負

「だけどさ、やっぱり、言えない」


作りかけの一輝くんのお守りを手にとって、ぽつりとつぶやいたあたしを裕貴は不満そうな目で見てくる。


「なんでだよ」


手の中には、背番号2番がついたユニフォーム。
この背中を何度も見てきた。

試合に勝った時も負けた時も、一輝くんとはいつも一緒だった。良いときだけじゃない、悪い時だってずっと一緒で、それでもずっと大好きだった。

一輝くんがエラーして秋の大会で負けて初めて涙を見せた時も、全然かっこわるいなんて思わなくて、それどころかもっと好きになった。


どんな時も、一輝くんが好きだった。
一輝くんだけが好きだった。

今でも、大好き。
だけど、この気持ちは言えない。


「一輝くんと別れてから......、友だちになろうっていったかと思えば、やめたいって言ったり、大嫌いとも言ったんだよ。それなのに今度はやっぱり好きだって?
そんなこと言えるわけない。

別れる前も別れてからも、一輝くんのことを傷つけすぎた。今さら好きなんて言ったって、受け入れてもらえるわけない」

「......言ってみなきゃ分からねーよ」

「ムリだよ、......ムリ、言えない」


一輝くんとはあまりにも、色々なことがありすぎた。

ムリだって言ってるのに、告白しろとしつこく言ってくる裕貴に、小さく首を横に振る。


だって本気でムリだもん。
いくら傍若無人のあたしでも、これ以上一輝くんを振り回すことなんてできない。それに......。

今までのことを思い出すと涙が込み上げてきて、静かに涙を流すあたしに裕貴はため息をついた。