「らしいね、秀も調子良かったみたいじゃん。
打率五割越えたんだよね。
甲子園で五割越えってヤバくない?半分以上打つじゃん。ピッチャーイヤだろうね~、その割りには敬遠はされてなかったみたいだけど」

「俺を敬遠したところで、五番も五割打者だし、六番も四割越えてるよ」


得意気になるわけでもなく、さらっと他のすごさもアピールするあたりがよけいイヤミだ。

四番五番が五割打者で、チーム打率は四割超え。

下位打線でも積極的に打っていくことから、猛打の銀月館とは元々言われてたけど、今年の銀月館打線は例年よりも爆発してて、誰にも止められず優勝を果たした。


「......銀月館には高校野球界のバランス考えろって言いたいわ。一試合目とか相手のピッチャー可哀想で、途中から相手の応援してたんだけど」


甲子園に出るくらいだから、弱いチームなんていないはずだけど、それでも都道府県によってかなりの力の差が出てしまう時がある。

一試合目は完全に力の差がありすぎる組み合わせで、もうやめてあげて!って言いたくなるくらいの猛攻にあってて可哀想になったんだよね。

甲子園はコールドがないから、アウトをとらなければひたすら打たれっぱなしの公開処刑。