それからさらに一週間がたち、四月も残すところあと一週間になった。


あれから、3人入ってきてくれたけど、まだそれでも合わせて6人。

まだまだ目標の9人には足りない。
最低でもあと3人、できれば余裕も持ってもう少しほしいとこ。


そんなことを考えながら、体育倉庫で体育の授業の後片付けをしていた。

あたし何気に体育委員だったりするのよね。


今日の授業で使ったハードルをキレイに並べていると、体育倉庫のドアが開いた音がして振り返る。


げっ。入ってきたやつを見て思わず顔をしかめちゃったけど、何事もなかったかのように平静をよそおい、体育倉庫から出ていこうと一歩前に出たけれど。


「なぁ、にっしーマネージャーやってんだって?」


あたしと同じように体育のジャージを着た、中学から同じで、しかも最悪なことにクラスまで同じのその男に声をかけられ、そうだけど、とそいつの顔を見ずにうなずく。


一体誰から聞いたのか。
放課後グラウンドにいるあたしを見たのかも知れないけど、それを知っているのもキモいし、こいつから声をかけられただけで身震いしてしまう。