......。
仕方ないか、仕方ないよね。


そういう態度を取られても仕方ないって覚悟を決めてきたはず。絶対に負けたりしない、ここで戦うって決めたんだ。

ぎゅっと唇を噛みしめて、教室に戻ろうと背を向ける。


だけどやっぱり目の前でガン無視されるのは、まだキツい。


そっと後ろを振り返ると、一輝くんもこちらを見ていた。

かずきくん......?


あたしと目が合うと、一輝くんはちょっと戸惑ったように視線をさ迷わせてから、大きく息を吸い込んだ。


「......おはようございます!!」

「お、おはようっ!」


もうすぐお昼で全然おはようの時間でもないけど、急に大きい声で挨拶してきた一輝くんに、あたしも同じようなボリュームで挨拶を返す。


一輝くんが声をかけてくれた。
おはようって言ってくれた。

たった一言言葉をかわしただけなのに嬉しくて、心臓の音が聞こえそうなくらいにドキドキしてる。