いよいよテストが始まった、翌週の月曜。
テストは一日三教科、月曜から木曜まで。

木曜からは部活が始まるけど、それまではお昼前には帰れる。


もちろん勉強するための時間なんだけど......。
今日はみのるに呼び出されているので、学校から二駅離れたところにあるファミレスへ。

ファミレスに入ると、テーブル席で、明日の試験科目である英語の参考書を広げて勉強しているみのるを見つけたので、あたしもその真正面の席に座る。

一緒にランチでもって感じではなさそうなので、ドリンクバーだけ頼んで。


「どう?最近は......?大丈夫?」

「ん?今日のテストならボチボチかな。
明日の数学と化学はヤバイね。みのるは?」


ドリンクバーのウーロン茶を飲んでいると、参考書から顔を上げてようやく声をかけてきたみのるに、あえて核心からそらすようなことを答える。


「僕は数学と化学なら得意分野だけど......、テストじゃなくて。誰かに嫌なこと言われたりしてない?クラスで孤立したりしてない?一輝とはどうなったの?」


あたしほどじゃないにしろ、後輩の彼女を奪っただの、部内で三角関係だの、みのるだって色々言われてるだろうに、みのるは一番にあたしとそれから一輝くんのことを心配してくれた。

こういう話がしたいんだろうなってことは分かってたけど。


「あ、それね。
てか、いっぺんに色々聞きすぎ。
まあコソコソ陰で言ってるやつはいるけど、一応友達はいるよ。一輝くんとは終わった。以上」


さらっと一輝くんと終わったと言うと、え......?と戸惑ったようにあたしを見るみのる。

たぶん、てか絶対自分のせいだと思ってんだろうな。

違うのに。