これ見てみろよ、と目の前に突きつけられたスマホの画面に仕方なしに目をやる。


「なにこれ?みのるとあたし?
アンタ、こんなんであたしを破滅させれると思ってんの?
ったく、バカバカしい」


自信満々であたしを破滅させるとか言うから何かと思えば、そこに写ってたのはあたしの肩をみのるがつかんでるとこだった。

キス動画でも流出したならさすがにヤバイと思うけど、こんなのどうとでもなる。


こんな体育倉庫で二人でいる場面を隠し撮りされてたって、別に......、体育、倉庫?


写っていた場所を確認しようと、メガネのスマホを取り上げもう一度確認しても、どう見たって体育倉庫だ。


「ちょっと待って。
なんでアンタがこの写真を撮れるの。
授業中だよ。
もしかして、アンタがあたしのこと閉じ込めたの?」


あたしが取り上げたスマホをさっと取り戻すと、元カレメガネは相変わらず気持ち悪い笑みを浮かべながら、あたしの頬に触れる。


「さあ?俺じゃなくたって、お前を陥れたいやつはたくさんいるからな。

今回のことで言うなら、本気で俺じゃない。
授業サボってうろついてたら、たまたま見つけたんだよ。にっしーの浮気現場をね」