そのあと他の一年も帰っていって、ついに二人きりになってもまだ帰ろうとしないで、スマホを見ているみのるの隣の椅子に座る。


「みのるは帰らないの?」

「うん、今日はブラスバンドの子が大会の曲のことで話したいって言うから、待ってる」

「ブラスバンドの?大会きてくれるって?
ここにくるってこと?」


夏の甲子園予選の応援きてくれるってことかな。
去年はブラバンどころか、応援にすら誰もきてくれなかったんだよね。


「うんそう。部活終わってからくるって」

「ふーん......。
キャプテンの敦士じゃなくて、みのるに相談?
みのるに気がある子がいるんじゃない?ブラバンに」

「別に......敦士よりも話しかけやすかったからじゃないの?もう......、すぐそういう方向もってくよね」


フツーそういうことはキャプテンの敦士に通すはずだよねーとつついても、みのるはそれほど興味なさそう。

つまんないやつ。