プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負

「さっきのは、あれでいいの。

普通の野手だったら、バックホーム間に合わない距離よ?秀は普段エリートしか見てないから、感覚がマヒしてんの。

間に合うかどうか微妙な距離なのにバックホームを指示して、あせって暴投するよりかは、確実にアウトひとつとれるセカンドで合ってるよ」


終盤、しかも一点を争う展開だったら、ムチャでもなんでもバックホームを指示するしかなくなるけど、点差も十分あるし、まだ中盤。

あせってエラーして悪い流れを作ってしまえば、一点ではすまされないかもしれない。それよりかは、一点は許して確実にアウトひとつとっていく方が賢明。


「え?さっきの、バックホーム間に合わない距離なの?
うちなら余裕で間に合うけど。
そっか、うちいつも二回戦シードばっかりだから、レベル低いチームと戦わないから、分かんないだよね。

この守備力でよく県優勝できたね。
よっぽどピッチャーのレベルが高いのかな」


......失礼極まりない。

しかも、バカにするとかイヤミでもなく、真顔で言ってくるあたりがよけいムカつく。否定できないのが悔しいけど、これでも夏前よりだいぶみんな上達したんだと秀に言ってみても、大して興味なさそうなのが、もうね。


「ナイバッティン!ナイラン!」


秀と話しているうちに、グラウンドでは、ヘルメットをかぶってネクストサークルに入っていたみのると、ホームベースを踏んで戻ってきた一輝くんがハイタッチしていた。


おっと、いつのまにかうちの攻撃になってるうえに、一点入ってる。

失礼極まりないやつの相手してたら、見逃しちゃったじゃん。


「それにしても、分かんないな。
あのショートのキャプテンも、ピッチャーのカレもだけど、あれだけ守れて打てるなら、もっと強いトコからスカウトもあったんじゃない?」


一輝くんもだけど、と付けたしながら、秀はベンチに入っていく一輝くんを目で追っていた。