プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負

「全国大会の一試合目、初回から......いきなりツーランホームラン打たれたんだ。その時思い知ったよ、僕なんかたいしたことないピッチャーで、全国にはいくらでももっとすごいやつがいるんだって。

その後はもうボロボロ。バッティングセンター状態で、相手チームの独壇場になった。それから......、監督からもう代わるかって言われて、僕はマウンドから逃げ出したんだ」

「......それは、監督の指示でピッチャー交代しただけでしょ?みのるが逃げたわけじゃなくない?」


逃げたっていうから、試合中にマウンドから逃走でもしたのかと思えば、調子が悪かったから変えられただけのこと。

けれど、みのるはあたしの言葉に悲しそうな顔でつぶやいた。違うんだと。


「監督は僕をマウンドから下ろさざるをえなかったんだ。それほどひどいピッチングだったし、投げやりになってた。

チームにとっても最後の大会だったのに......、自分の渾身の決め球がホームラン打たれたからって、僕は勝負を捨てたんだ。
僕以外にまともに投げられるやついないって知ってたのに、踏ん張れなかったんだ」


黙りこむあたしに、みのるは苦笑いしてから、またひとつため息をついた。


「それで、自信なくして野球やめたよ。

ああ、その時の試合の相手が敦士たちのチーム......、僕が初回からいきなりホームラン打たれたのが敦士だよ」


なるほどね。
みのるの口から全てを聞いても、驚くというよりかは、妙に納得した。

そんなことがあったんじゃないかとは、なんとなく察していたから。