プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負

銀月館の猛攻のなか、みんなそれぞれに話したり、音楽を聞いたり、試合前の時間を過ごす。

銀月館に萎縮しながらも、誰かと話している人が多いのに対して、うちのエースは無言で、ただグローブをじっと見つめている。

精神統一でもしてんのか、ちょっとナーバスはいってんのか。少しも視線動かさないから、ちょっと心配になってきた。


「みのる!お前のとこの親、今日は来てるか?
和澤センセーが部費の話したいっつってたけど」


一人だけ異質の雰囲気を放つみのるに敦士が声をかけると、みのるはようやくグローブから目を離した。


「あ......、うちの親、試合は見に来ないんだ。
部費のことなら、僕が後で先生に聞いておくから」

「は?地方大会だってのに?仕事かなんかか?
つか、お前の親いつもきてなくね?」

「ああ......、うん。
たぶん、これからもこないと思う」

「はぁ?
まあ来ねぇなら来ねぇ方がいいのかもな。

うちの親なんて、今日の何回の守備は入りが遅かっただの、あの打席は何であんな甘い球見逃したんだだの、後でごちゃごちゃ言ってきて、マジウゼーよ。いちいち細けぇっつの」


曖昧に言葉を濁すみのるに、敦士はサラッとそんなことを言い出し、聞いてるこっちの方があせる。

敦士は敦士で干渉され過ぎてストレスたまってるのかもしれないけど、みのるは逆なんだよね。