さらに数日たち、あたしたちには関係ないけど甲子園が始まった。


午後過ぎまで学校で練習したあと、一輝くんを家に呼んで、あたしの部屋で甲子園の第三試合を見ている。


「お父さんとお母さんはいつ帰ってくると?
初めて先輩の家にきたし、挨拶しときたいけん」


ちょうど五回の裏が終わって、長めの休憩にはいると、一輝くんはテレビから視線をはずして、あたしと視線を合わす。


「言ってなかったけ?今日は帰ってこないよ。
ほら、裕貴のとこが甲子園出るから、パパもママもそっち行ってるの。負けるまで、泊まってくるって」

「ええ?聞いてないですよ......」

「ごめん、てか何?あたしと二人だと何か問題でもあった?」

「いや別に......」


今日はパパもママも帰ってこないというと、急にソワソワしだした一輝くん。

そんな一輝くんの手に自分のを重ねて、いたずらっぽく一輝くんの顔をのぞきこむ。