Tell me !!〜課長と始める恋する時間

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「昨晩はとんだ失態を。大変、失礼いたしました。」


我が家のダイニングテーブルに座り、少し寝癖のある頭を下げながら朝からお母さんに話す課長をまるで夢を見ているかの様に隣から眺める。


結局、完全に酔い潰れて寝てしまった課長は我が家にお泊りする事に。


座敷に布団を敷き課長をその中にお母さんと二人で放り込むのはかなりの重労働だった。


お父さんはどうやら二日酔いの様でまだ起きてこない。


ボードに行ってるマサルもまだ帰る事はないだろうし。


平和だ。


実に平和な朝だ。


て言うか…うちのお父さんも決して酒豪じゃ無いからね。


結局、大して飲めない二人が男同士サシで呑むぞとか格好つけて言ってちゃ駄目じゃない。


「二日酔いは?今、お味噌汁作ったけど飲めます?ご飯は食べれないわよね?その様子じゃ。」


お母さんがキッチンカウンターの中から課長に声を掛けてくれる。


私はいつだって当たり前の様にお母さんに甘えてきたけれど…つい昨夜、課長が話していた事が思い出される。


「そうですね。お味噌汁だけ頂いてもよろしいでしょうか。」


言葉遣いは元に戻ってるけれど、こんなにもぐったりな課長ってレアだな。寝癖も。


「課長ってお酒、弱かったんですね。すんごく飲めそうな雰囲気なのに。」


何となくバスローブ羽織ってワイングラス片手に夜景を見ながら飲む課長の姿をイメージする。


「ええ、全く飲めない訳じゃないのですが、日本酒を飲むと完全に潰れます。」


あっ、そうか。すき焼きを食べてる時はビール飲んでたけどその後、座敷でお父さんと日本酒飲んだっけ?


うちのお父さんも日本酒飲むと大抵潰れちゃうんだよねぇ。


おまけに昨日は課長にいいとこ見せようと無理して飲んだに違いない。


そして課長もお父さんに進められるまま無理して飲んで…


ほんっと男って馬鹿だよね。