Tell me !!〜課長と始める恋する時間

「お母様はご健在なの?」


「ええ、健在ですが元々、料理が得意ではありませんでしたので。」


「なら、いつでも食いに来な。」


「お父さんっ。」


お酒も入った勢いで何てことを。


「はい、是非。」


か、課長…


そんな事言ったらうちの両親本気にしちゃってホントに毎週、呼ぶかも。


あり得ん。








「ご馳走さまでした。」


いつもながらとても綺麗な所作にて課長がお箸を置く。


「さぁ、腹も膨れた事だろうし、本題に入るとするか。」


えっ、お父さん?


もう、終わりじゃないの?


お肉食べ尽くしたよ?


フィニッシュで良いでしょ?


お開きにしようよ。


「本題って何よ。」


「はあ?今からは座敷で男同士、サシで飲もうって事だ。」


「えっ、でも課長もそろそろ帰らないと。ねっ?」


「そうなのか?」


私を無視して課長に聞くお父さん。


「いえ、是非、お供させて頂きます。」


「課長っ。」


「杏子、これは男同士の話だ。お前は黙ってろ。」


「ええ、そんなぁ。」


私が半べそかくと、


「大丈夫ですよ。心配しないで。」


と課長。


なんだろ、今日の課長はとても頼もしく感じる。


ここは課長に任せた方が良いのかも。


後はなるようになれ、だ。


その後、課長とお父さんは座敷に場所を変え二人で飲みだした。