結局、次の日もいつもの様にお弁当を作って第三会議室へと来たけれど、課長が現れることはなかった。


広い広いこの場所がさらに広く感じて。


課長とお昼を一緒に食べるまでずっと一人で食べてたのにぼっちご飯がやたら寂しく感じる。


課長、ちゃんと食べてるのかな。


ほんとにもう、終わっちゃったって事なのかな。


こんな誤解させたまま終わってもいいのかな?


だって決めたのに。どうせ振られるなら私が課長を好きだって気持ちを精一杯伝えてからにしようって。


それからでも遅くはないって。


なのにこれじゃあ、課長に伝えるどころか、課長を更に恋愛不信にさせてしまっただけだよね。


だけどーーー


あれから課長とは仕事の事以外で会話する事はない。


ある意味、いつも通り、無表情の課長。


この僅かな期間で課長の意外な一面を知ったり、課長の貴重な笑顔を見てしまったから……辛い。


いつも通りがいつも通りじゃ無くなった日常。


こんなにも辛いなんて。


そして迎えた金曜日。クリスマス当日だ。


課長は朝から外出でそれは終日のよう。


そっか、こんなにも予定がビッシリだったら夜に会うなんて無理だよね。


もう年末だし年内に片付け無ければいけない仕事が山積みなんだろうな。


「課長と何かありました?」


声の主はもちろん、乾くん。課長はいないとは言え他にも人はいるので小声で聞いてくる。


「終わった。何もかも終わったよ。」


と課長が留守なのを良い事に正直に答える私。


「マジで?」


「うん。マジで。」


「えっ、じゃあ、俺、諦めず頑張ろうかな。」


「ごめん、無理。」


「そんな即答しなくても。分かってますって。そんな直ぐに気持ち切り替えることなんて、出来ないですよね。」


と、寂しげに言う乾くん。


ん?もしかして私の事、そんなにも本気だったとか?