Tell me !!〜課長と始める恋する時間

次の日のお昼、いつもの如く第三会議室にてお弁当を食べる私。


うん、もちろん、今日もいるよ。課長も。


静かに食べてるからね。


けれど今日はそれ以上に殺気立ったものも感じられるんですが……。


「課長……」


ちゃんと口の中の物を全部飲み込んでから声を掛ける。


「なんです?」


どうやら課長はもう食べ終わったようで、お弁当箱を片付け始めてる。


「ど、土曜日どうします?待ち合わせ場所とか?」


「とか?」


課長のスノービームにより杏子のHPが200減った。


って言ってる場合かっ。


「すいません…。土曜日の待ち合わせですが何時にどこにしましょうか?」


ふん、これでいいんでしょ?何か仕事の会話みたいに聞こえるけど。


すると考え込む課長。


「やはり、クリスマス少しでも会いたいと思うのですが仕事が終わってからでは遅いでしょうか?」


今、私は2つの理由からフリーズしております。


一つはまさか課長から「会いたい」なんて言葉が発せられるとは……


そしてもう一つ。


ど、どうしよ。クリスマス乾くんに空けとけって言われてるし。


正直に言う?乾くんと約束してるって。


だけど、誤解招いて三ヶ月経つ前に振られてしまったら…。


それは困る。


とは言え雉原さんも絡むとなるとドタキャンしたくないしなぁ。


仕方ない、予定がある事だけ伝えよう。


「実は予定を入れてしまって…」


「そうですか。それは残念ですね。っで、乾くんと何処に行くんですクリスマスの夜。」


「えっ、なんで乾くんってバレてるんですか?」


「知りませんよ。カマ掛けただけです。」


あっ………


やってしまった。


まんまとハメられた。


課長からの容赦ないスノービームにより杏子のHPはゼロになってしまった……。


言うてる場合かっ。