「兎に角、今週末のクリスマス。予定を空けといてくださいね。」
コンビニを出ると乾くんが言った。そのまま二人して駅に向かいながら歩いていく。
「えっ、でも…」
いくら課長が都合悪くなったからって乾くんとクリスマス過ごすというのは流石に……
「大丈夫。二人きりとかじゃないからいいよね?さっき言ってたでしょ、強力なツテがあるって。その日、紹介しますよ。」
「ああ、ツテ?」
「きっと、桃原さんの助けになりますよ。」
「助けとか…そんな悪いよ。会った事もない人に協力してもらうとか。」
そもそも何で見ず知らずの人に私の恋愛事情を話さなきゃならんのだ、とは言えないよね。
「大丈夫。同じ会社の人だし顔くらい知ってるはず。色んな意味であの人、有名人だし。」
「あの人?誰、私でも知ってるの?」
「うん、もちろん。企画営業の雉原(きじはら)さんですよ。」
「えっ、雉原さん?ってあのデキる女を絵に描いたような?」
雉原さんは社内ではちょっとした、いや、かなりの有名人で企画営業部に所属している。
女性ながらもその活躍は輝かしいもので、何なら部を実質引っ張ってるのは雉原さんと言ってもいいくらいだ。
その上、非の打ち所がない美女と言えば知らない人はいない。
だけど、なんで?
「雉原さんにツテがあるってどう言うこと?」
「ああ、俺、マーケティングに来る前、同じ企画営業部にいたから。入社して直ぐからずっと雉原さんに付いてたんです。俺の師匠みたいなものです。」
ああ、なるほど。
「そうなんだ。だけどそんな師匠みたいな人に私の事で巻き込むのは不味いよ。」
うん、私の立場だって不味くなるじゃん。部署は違えど相手は課長補佐だよ。
「大丈夫です。俺と雉原さんただならぬ関係じゃないし。」
「えっ、どういうこと?」
「俺の兄貴の元カノなんですよ。」
はっ?
もう駄目だ。
なんか、今日はキャパオーバーだな。
頭痛くなってきた。
コンビニを出ると乾くんが言った。そのまま二人して駅に向かいながら歩いていく。
「えっ、でも…」
いくら課長が都合悪くなったからって乾くんとクリスマス過ごすというのは流石に……
「大丈夫。二人きりとかじゃないからいいよね?さっき言ってたでしょ、強力なツテがあるって。その日、紹介しますよ。」
「ああ、ツテ?」
「きっと、桃原さんの助けになりますよ。」
「助けとか…そんな悪いよ。会った事もない人に協力してもらうとか。」
そもそも何で見ず知らずの人に私の恋愛事情を話さなきゃならんのだ、とは言えないよね。
「大丈夫。同じ会社の人だし顔くらい知ってるはず。色んな意味であの人、有名人だし。」
「あの人?誰、私でも知ってるの?」
「うん、もちろん。企画営業の雉原(きじはら)さんですよ。」
「えっ、雉原さん?ってあのデキる女を絵に描いたような?」
雉原さんは社内ではちょっとした、いや、かなりの有名人で企画営業部に所属している。
女性ながらもその活躍は輝かしいもので、何なら部を実質引っ張ってるのは雉原さんと言ってもいいくらいだ。
その上、非の打ち所がない美女と言えば知らない人はいない。
だけど、なんで?
「雉原さんにツテがあるってどう言うこと?」
「ああ、俺、マーケティングに来る前、同じ企画営業部にいたから。入社して直ぐからずっと雉原さんに付いてたんです。俺の師匠みたいなものです。」
ああ、なるほど。
「そうなんだ。だけどそんな師匠みたいな人に私の事で巻き込むのは不味いよ。」
うん、私の立場だって不味くなるじゃん。部署は違えど相手は課長補佐だよ。
「大丈夫です。俺と雉原さんただならぬ関係じゃないし。」
「えっ、どういうこと?」
「俺の兄貴の元カノなんですよ。」
はっ?
もう駄目だ。
なんか、今日はキャパオーバーだな。
頭痛くなってきた。



