***
「はあ?三ヶ月?なんすか、それ。あっ、お代わり頼みますけど桃原さんは?」
会社の飲み会じゃあまり飲む姿を見た事なかったけど、どうやら乾くんはかなりの酒豪のようでまだまだイケそうな雰囲気。それに引き換え私なんてレモンサワー1杯で既に酔いが回りつつある。
「ううん、お代わりはいいや。」
個室の戸を開けるとカウンターの方へ向けて乾くんが声を掛ける。
「すいませぇん、ビール追加で。後、ウーロン茶も。」
「あっ、ありがとう。」
さり気なくお茶を頼んでくれる辺り、ほんと、気が利くと言うか体育会系の性(さが)と言うか。
何れにしてもモテる男のなせる技だよね。
「それで、三ヶ月の間に出来そうなんですか?課長を本気にさせるとか。」
乾くんにこれまでの経緯をざっくり話してみた。もちろん、大幅に端折っているけれど。
「うーん、分からない。現時点で私に対して恋愛感情は全くないみたいだし。ただ、からかって楽しんでるだけみたい。」
きっと、この三ヶ月の間に本気にさせるって話自体、課長に取ってはゲーム感覚で言ってるようなものだと思う。
「俺、昼間も言ったけど桃原さんの事、狙ってたんですよ。割りと本気で。」
「あっ、うん……」
そう言えば、そんな事、言ってたような。
「俺じゃ、駄目なの?」
「えっ…」
お酒も入っているからか、時折、タメ口で話す乾くんが年下の可愛い後輩じゃなく、普通の男の人に見える。
「俺なら、桃原さんの事、全力で大事にするよ?」
「乾くん……」
向かいの席に座る乾くんがじっとこちらを見る視線で決して冗談で言ってる訳じゃないってことが伝わってくる。
だからーーー
「ごめん。」
ちゃんと答えなきゃ、私も。
「私、課長の事が好きだから…。先が望めない恋だとしても今、諦める事は出来ない。出来る限り課長に私の思いを伝えたいと思うから。」
お互い視線があったまま、どちらも外す事をしない。
個室内に沈黙が続く。
「はあ?三ヶ月?なんすか、それ。あっ、お代わり頼みますけど桃原さんは?」
会社の飲み会じゃあまり飲む姿を見た事なかったけど、どうやら乾くんはかなりの酒豪のようでまだまだイケそうな雰囲気。それに引き換え私なんてレモンサワー1杯で既に酔いが回りつつある。
「ううん、お代わりはいいや。」
個室の戸を開けるとカウンターの方へ向けて乾くんが声を掛ける。
「すいませぇん、ビール追加で。後、ウーロン茶も。」
「あっ、ありがとう。」
さり気なくお茶を頼んでくれる辺り、ほんと、気が利くと言うか体育会系の性(さが)と言うか。
何れにしてもモテる男のなせる技だよね。
「それで、三ヶ月の間に出来そうなんですか?課長を本気にさせるとか。」
乾くんにこれまでの経緯をざっくり話してみた。もちろん、大幅に端折っているけれど。
「うーん、分からない。現時点で私に対して恋愛感情は全くないみたいだし。ただ、からかって楽しんでるだけみたい。」
きっと、この三ヶ月の間に本気にさせるって話自体、課長に取ってはゲーム感覚で言ってるようなものだと思う。
「俺、昼間も言ったけど桃原さんの事、狙ってたんですよ。割りと本気で。」
「あっ、うん……」
そう言えば、そんな事、言ってたような。
「俺じゃ、駄目なの?」
「えっ…」
お酒も入っているからか、時折、タメ口で話す乾くんが年下の可愛い後輩じゃなく、普通の男の人に見える。
「俺なら、桃原さんの事、全力で大事にするよ?」
「乾くん……」
向かいの席に座る乾くんがじっとこちらを見る視線で決して冗談で言ってる訳じゃないってことが伝わってくる。
だからーーー
「ごめん。」
ちゃんと答えなきゃ、私も。
「私、課長の事が好きだから…。先が望めない恋だとしても今、諦める事は出来ない。出来る限り課長に私の思いを伝えたいと思うから。」
お互い視線があったまま、どちらも外す事をしない。
個室内に沈黙が続く。



