「ところで、桃原さん。」
「はい?」
いつもの如く先に食べ終えた課長がお弁当箱を片付けながら聞いてくる。
「あのロータリーにうろついていた猿くんは誰ですか?」
猿?
ロータリーでうろついていた………あっ、優(まさる)の事だ。
「すいません、あれ、弟なんです。なんか、後をつけてたみたいで。」
「そのようですね。」
「えっ、知ってたんですか?」
「ええ、あまりにも分かりやすい視線を投げつけてくるので、てっきり桃原さんの男関係なのかと。」
「男関係って、そんなのありません。」
「そうですか。」
対して興味があるようでもなく言う課長。もうちょっと反応してくれてもいいのになぁ。
「それでつい、面白くて桃原さんにちょっかい掛けてみました。」
「はあ?ちょっかいって……もしかして」
和風カフェでの事やロータリーでの事?
「弟さん叱らないでやってください。僕が君に何かする度に凄い顔で睨みつけてたから。お姉さん思いの良い弟くんだ。」
睨みつけて?
「すいません、課長。弟が失礼な事を。」
「いえ、僕なりに楽しんでましたよ。僕には兄弟がいないのでいればこんなだろうかと。」
「課長、一人っ子なんですか?いいなぁ、全部独り占めじゃないですか。私なんて何でもかんでもあんたはお姉ちゃんなんだから我慢しなさいって、そればっかり。羨ましいですよ。」
特に6歳も離れて生まれてきたマサルにはお父さんお母さんもやはり甘い。まぁ、私も基本、甘やかしてる部分はあるけどね。
「そんな事ないですよ。何でも手に入るというのは、ある意味、何も満たされないものです。」
「ん?どういう意味ですか?」
「桃原さん、早く食べてしまわないと間に合いませんよ。」
慌てて時計を見ると
「うわっ、ぎりぎりだ。」
「じゃ、僕は先に行ってますね。」
涼し気な顔して課長は行ってしまった。
「ほんと、マイペースなんだから。」
この時、課長がどんな思いでさっきの言葉を言ったかを私が知るのはもう少し後の話なんだけど。
「はい?」
いつもの如く先に食べ終えた課長がお弁当箱を片付けながら聞いてくる。
「あのロータリーにうろついていた猿くんは誰ですか?」
猿?
ロータリーでうろついていた………あっ、優(まさる)の事だ。
「すいません、あれ、弟なんです。なんか、後をつけてたみたいで。」
「そのようですね。」
「えっ、知ってたんですか?」
「ええ、あまりにも分かりやすい視線を投げつけてくるので、てっきり桃原さんの男関係なのかと。」
「男関係って、そんなのありません。」
「そうですか。」
対して興味があるようでもなく言う課長。もうちょっと反応してくれてもいいのになぁ。
「それでつい、面白くて桃原さんにちょっかい掛けてみました。」
「はあ?ちょっかいって……もしかして」
和風カフェでの事やロータリーでの事?
「弟さん叱らないでやってください。僕が君に何かする度に凄い顔で睨みつけてたから。お姉さん思いの良い弟くんだ。」
睨みつけて?
「すいません、課長。弟が失礼な事を。」
「いえ、僕なりに楽しんでましたよ。僕には兄弟がいないのでいればこんなだろうかと。」
「課長、一人っ子なんですか?いいなぁ、全部独り占めじゃないですか。私なんて何でもかんでもあんたはお姉ちゃんなんだから我慢しなさいって、そればっかり。羨ましいですよ。」
特に6歳も離れて生まれてきたマサルにはお父さんお母さんもやはり甘い。まぁ、私も基本、甘やかしてる部分はあるけどね。
「そんな事ないですよ。何でも手に入るというのは、ある意味、何も満たされないものです。」
「ん?どういう意味ですか?」
「桃原さん、早く食べてしまわないと間に合いませんよ。」
慌てて時計を見ると
「うわっ、ぎりぎりだ。」
「じゃ、僕は先に行ってますね。」
涼し気な顔して課長は行ってしまった。
「ほんと、マイペースなんだから。」
この時、課長がどんな思いでさっきの言葉を言ったかを私が知るのはもう少し後の話なんだけど。



