Tell me !!〜課長と始める恋する時間

次の日のお昼、いつもの如く第三会議室にて黙々とお弁当を食べる私。


いや、私と課長か。


あまりにも静かに食べるから一人で食べてるって時々、錯覚しそうになる。


二人きりで過ごす貴重な時間だと言うのに。


課長との距離を確実に縮める大切な時間なのに。


しかし、マサルには見事にやられた。


案の定、あれから家に帰るとお父さんとお母さんにどこいってただの、誰と行ってただとかもううるさくて晩ご飯もそこそこに部屋に逃げた。


まぁ、お母さんは私が課長にお弁当持って行ってるの知ってるからそこまでしつこくは突っ込んで来なかったけど。


ただ、恐ろしい妄想はされてそう。


にしてもお父さんだ。


いきなり、「真面目な付き合いをしているのか?」とか「式はいつ頃予定してるんだ?」とか聞いてくるから呆れて何も言えなかった。


式どころかクリスマスの予定もきまってないっつーのっ。


なんなら、正式な彼女でも無いのに…。


いやいや、へこたれている場合じゃない。気付けばクリスマスは目の前までやってきている。初めに話した時も言ってたし課長、予定空けてくれてるよね?


「課長。」


綺麗な箸使いで口に入れたきんぴらゴボウをそれはもうよく噛んで、そしてゆっくりと飲み込むと


「どうかしましたか?」


課長が漸く聞き返してくれた。


遅っ。


まぁ、仕方ないか。課長としては食事中にぺちゃくちゃ喋るのはお行儀が悪いんだもんね。


「えっと、クリスマスの事ですけど……予定どうですか?」


今年は金曜日にクリスマスだもんね。次の日も休みだし食事をして帰ったとしてもゆっくり出来そう。なんならお泊りとか……


きゃーーーーっ、お泊りだなんてっ。


「ああ、その事ですが予定空けておくつもりでしたが無理になりました。」


「えっ?無理?」


「申し訳ない。どうしても外せない仕事の予定が急に入ってしまったので。」


嘘…楽しみにしてたのに。


予定空けておくって言ってたのに…。