「ご馳走さまでした。」
毎度ながら背筋がピンと伸びていて手を合わせる姿が何とも言えない。つい見惚れてしまう。
「課長。」
「なんです?」
「課長って食べる時の一つ一つの動作が綺麗ですよね?小さい頃からご両親に厳しく教わってたとかですか?」
急いで食べながらも気になったので聞いてみた。
「えっ…、ああ、まぁ。」
なに?なんなのこの微妙な返しは。なんか私、聞いちゃいけない事聞いちゃった?
何となくそれ以上その話をするのは悪い気がして残りのお弁当を食べる事に集中した。
「ご馳走さまでしたぁ。課長、すいません、お待たせしてしまって。」
結局、課長は自分が先に食べ終わったのに会議室から出ていく事もなく、私が食べ終わるまで待ってくれていた。
「いえ、別に急ぐ用もないですから。」
さっきから課長、少しぼんやりしてたから、いつもながらの淡々とした言葉が帰ってきた事にホッとする。
「それで、明日からもお弁当持ってこようと思うのですが、迷惑…ですか?」
今日の所は後先考えずに持ってきちゃったけど、考えれば課長に取っては余計な事だったのかもしれないし。
「いえ、明日からもお願いします。ただし、桃原さんのお母様にご迷惑じゃ無ければですが。」
とほんの少し口角を上げ、意地悪げに言ってくる課長。良かったいつもの課長だ。
「迷惑だなんて。それじゃ明日からも持ってきますね。」
「ああ、でもおにぎりはもう少し小さめでお願いします。」
「えっ?」
「これまで昼食は軽めで済ませていたので少々、食べ過ぎてしまったようで。」
課長、無理して全部残さず食べてくれたんだ。
「すいません、もう少し小さめにしますね。私、張り切っちゃってちょっと大きかったですよね。」
「そうですね。形もいびつですし、具も所々はみ出していましたね。海苔の巻き方も実に雑でしたしーーー」
「わかりましたからっ。明日からはもう少し頑張りますからっ。」
おにぎり一個もまともに作れないなんて聞いていて恥ずかしすぎる。もう終わりにしたくて急いで食べ終わったお弁当箱を片付け始めると
「でも…」
「ん?」
課長の顔を見る。
「付き合う女性の手料理を食べるのは初めてでしたが中々良いものですね。僕の為を思って作ってくれたという気持ちがとても伝わってきました。デコボコのおにぎりから。」
そういって私の頭に手を乗せポンポンとする課長。
「っ……課長。」
毎度ながら背筋がピンと伸びていて手を合わせる姿が何とも言えない。つい見惚れてしまう。
「課長。」
「なんです?」
「課長って食べる時の一つ一つの動作が綺麗ですよね?小さい頃からご両親に厳しく教わってたとかですか?」
急いで食べながらも気になったので聞いてみた。
「えっ…、ああ、まぁ。」
なに?なんなのこの微妙な返しは。なんか私、聞いちゃいけない事聞いちゃった?
何となくそれ以上その話をするのは悪い気がして残りのお弁当を食べる事に集中した。
「ご馳走さまでしたぁ。課長、すいません、お待たせしてしまって。」
結局、課長は自分が先に食べ終わったのに会議室から出ていく事もなく、私が食べ終わるまで待ってくれていた。
「いえ、別に急ぐ用もないですから。」
さっきから課長、少しぼんやりしてたから、いつもながらの淡々とした言葉が帰ってきた事にホッとする。
「それで、明日からもお弁当持ってこようと思うのですが、迷惑…ですか?」
今日の所は後先考えずに持ってきちゃったけど、考えれば課長に取っては余計な事だったのかもしれないし。
「いえ、明日からもお願いします。ただし、桃原さんのお母様にご迷惑じゃ無ければですが。」
とほんの少し口角を上げ、意地悪げに言ってくる課長。良かったいつもの課長だ。
「迷惑だなんて。それじゃ明日からも持ってきますね。」
「ああ、でもおにぎりはもう少し小さめでお願いします。」
「えっ?」
「これまで昼食は軽めで済ませていたので少々、食べ過ぎてしまったようで。」
課長、無理して全部残さず食べてくれたんだ。
「すいません、もう少し小さめにしますね。私、張り切っちゃってちょっと大きかったですよね。」
「そうですね。形もいびつですし、具も所々はみ出していましたね。海苔の巻き方も実に雑でしたしーーー」
「わかりましたからっ。明日からはもう少し頑張りますからっ。」
おにぎり一個もまともに作れないなんて聞いていて恥ずかしすぎる。もう終わりにしたくて急いで食べ終わったお弁当箱を片付け始めると
「でも…」
「ん?」
課長の顔を見る。
「付き合う女性の手料理を食べるのは初めてでしたが中々良いものですね。僕の為を思って作ってくれたという気持ちがとても伝わってきました。デコボコのおにぎりから。」
そういって私の頭に手を乗せポンポンとする課長。
「っ……課長。」



