「ところで桃原さん、クリスマスとか予定どうなってます?」
課長がパソコンに集中しているのをいい事に仕事とは関係の無いことを聞いてくる乾くん。
「えっ、クリスマス?」
そっか、もう12月だもんね。忙しい毎日を過ごしているとそんな事、すっかり忘れていたよ。
「はい、クリスマスなんか予定あるのかなと思って。」
「うーん、特に何もないけど………その辺りなんか締め切りあったっけ?いいよ、仕事私に振り分けてくれても。乾くん、誰かと約束でもあるんでしょ?早く帰りたいよね?」
期日までにきっちりデータを揃えなければ全ての工程が遅れていく。最悪、新商品発売見送りという事態にもなりかねない。
だから私達に課される仕事の期限は絶対なのだ。
「いや、誰かとって言うのじゃなくて………」
急に口籠る乾くん。
何が言いたいのかよく分からない。
これだけのイケメンだもん。誰かと約束があるから早く仕事を終わらせたくて私に頼むってことなんでしょ?他に頼めるような人いないもんね。
もう大体は察してるんだから言えばいいのに。言いにくいのかな?
すると、意を決したように乾くんが口を開いた。
「あの、クリスマス俺とーー」
「桃原さん、ちょっとあちらに宜しいですか。話したい事があります。」
と、直ぐ隣にあるミーティングルームを指差す課長。
「えっ、はい?」
全然こっちを見ることすらしなかった課長に急に声を掛けられ動揺を隠せない。
乾くんを見ると口パクで
ーーーまた後で
と言ったのが分かった。
ひとつ頷くと先に席を立ちミーティングルームに入った課長の後を追う。
ガラス張りのミーティングルームはフロアから丸見えではあるけれどワンタッチでそのガラス窓にスモークが掛かる仕組みになっている。
大抵はまだ公に出来ない極秘情報を取り扱うようなミーティングをする時に使う事が多い。
情報が万が一でも外に漏れないようにする為、
念には念を入れてだ。
なので私が課長と二人この部屋に入りしかも外部から中の様子が見えなくしたとしても、それはいつものことであって………
だけど昨日の事があっただけにこの空間、妙に緊張する。
「か、課長、どうかしましたか?」
うわ、落ち着け私。声が上擦ってるよぉ。
課長がパソコンに集中しているのをいい事に仕事とは関係の無いことを聞いてくる乾くん。
「えっ、クリスマス?」
そっか、もう12月だもんね。忙しい毎日を過ごしているとそんな事、すっかり忘れていたよ。
「はい、クリスマスなんか予定あるのかなと思って。」
「うーん、特に何もないけど………その辺りなんか締め切りあったっけ?いいよ、仕事私に振り分けてくれても。乾くん、誰かと約束でもあるんでしょ?早く帰りたいよね?」
期日までにきっちりデータを揃えなければ全ての工程が遅れていく。最悪、新商品発売見送りという事態にもなりかねない。
だから私達に課される仕事の期限は絶対なのだ。
「いや、誰かとって言うのじゃなくて………」
急に口籠る乾くん。
何が言いたいのかよく分からない。
これだけのイケメンだもん。誰かと約束があるから早く仕事を終わらせたくて私に頼むってことなんでしょ?他に頼めるような人いないもんね。
もう大体は察してるんだから言えばいいのに。言いにくいのかな?
すると、意を決したように乾くんが口を開いた。
「あの、クリスマス俺とーー」
「桃原さん、ちょっとあちらに宜しいですか。話したい事があります。」
と、直ぐ隣にあるミーティングルームを指差す課長。
「えっ、はい?」
全然こっちを見ることすらしなかった課長に急に声を掛けられ動揺を隠せない。
乾くんを見ると口パクで
ーーーまた後で
と言ったのが分かった。
ひとつ頷くと先に席を立ちミーティングルームに入った課長の後を追う。
ガラス張りのミーティングルームはフロアから丸見えではあるけれどワンタッチでそのガラス窓にスモークが掛かる仕組みになっている。
大抵はまだ公に出来ない極秘情報を取り扱うようなミーティングをする時に使う事が多い。
情報が万が一でも外に漏れないようにする為、
念には念を入れてだ。
なので私が課長と二人この部屋に入りしかも外部から中の様子が見えなくしたとしても、それはいつものことであって………
だけど昨日の事があっただけにこの空間、妙に緊張する。
「か、課長、どうかしましたか?」
うわ、落ち着け私。声が上擦ってるよぉ。



