その後、改めて彼女に僕の育ってきた環境をちゃんと話した。
知っていて欲しいと思ったからだ。
けれど、僕は肝心な事は言えてなかった。
僕には婚約者がいるんだという事を。
と、同時に僕の中に芽生えるこの思いについても。
僕は間違いなく彼女に惹かれている。
彼女の事が好きなんだと思う。
けれど、事実を告げる事も彼女にその思いを伝える事も出来ないでいた。
初めての感情に戸惑っていたんだ。
けれど、そんな時、あの出来事があった。
彼女の家に空き巣が入ったのだ。
幼い頃より護身術を身につけさせられていた僕に取って空き巣犯に向かう事は何も抵抗が無かった。
ただ、もし僕があの場にいなければ彼女はどうなっていたのだろうと、その事を思うと胸が張り裂けそうな思いがした。
彼女の身に何かあったら、そう思うと怖くて溜まらなかった。
僕はもう誤魔化せなかった。
彼女が好きなんだという気持ちを。
僕は彼女に告げた。
君が好きだと。
婚約者がいると言う事実は変わらない。それでも告げずにはいられなかった。
彼女を好きになる思いを止める事は出来なかった。
その日、僕は夢中で彼女の唇を奪った。
それ以上にも奪いたかったけど空き巣に入られ弱っている彼女に付け込むのは良くないと何とか思い留まった。
それにこのまま彼女を抱いてしまえばきっと傷つける事になる。
だから、今は彼女が無事でいる事を、彼女を抱きしめる腕から伝わる温もりを感じるだけで、それだけでいいと思った。
毛布にくるまった彼女を抱きしめまさか、この僕が修行僧のような域に到達するとは…
苦笑いしながらその夜は過ぎていった。
知っていて欲しいと思ったからだ。
けれど、僕は肝心な事は言えてなかった。
僕には婚約者がいるんだという事を。
と、同時に僕の中に芽生えるこの思いについても。
僕は間違いなく彼女に惹かれている。
彼女の事が好きなんだと思う。
けれど、事実を告げる事も彼女にその思いを伝える事も出来ないでいた。
初めての感情に戸惑っていたんだ。
けれど、そんな時、あの出来事があった。
彼女の家に空き巣が入ったのだ。
幼い頃より護身術を身につけさせられていた僕に取って空き巣犯に向かう事は何も抵抗が無かった。
ただ、もし僕があの場にいなければ彼女はどうなっていたのだろうと、その事を思うと胸が張り裂けそうな思いがした。
彼女の身に何かあったら、そう思うと怖くて溜まらなかった。
僕はもう誤魔化せなかった。
彼女が好きなんだという気持ちを。
僕は彼女に告げた。
君が好きだと。
婚約者がいると言う事実は変わらない。それでも告げずにはいられなかった。
彼女を好きになる思いを止める事は出来なかった。
その日、僕は夢中で彼女の唇を奪った。
それ以上にも奪いたかったけど空き巣に入られ弱っている彼女に付け込むのは良くないと何とか思い留まった。
それにこのまま彼女を抱いてしまえばきっと傷つける事になる。
だから、今は彼女が無事でいる事を、彼女を抱きしめる腕から伝わる温もりを感じるだけで、それだけでいいと思った。
毛布にくるまった彼女を抱きしめまさか、この僕が修行僧のような域に到達するとは…
苦笑いしながらその夜は過ぎていった。



