Tell me !!〜課長と始める恋する時間

彼女と昼を一緒に食べるようになり、誰かと食事をするのは悪いもんじゃないと思った。


いや、それは彼女とだからかもしれない。


他の女達と食事に行けば流行りの店だのなんだのと常に混み合った店に、連れて行かれ落ち着いた食事など取れなかった。


そもそも食べる事にそれほど興味のない僕にとって食事なんてものは死なない程度に栄養補給出来れば良いと考えていた。


しかし、彼女は実に旨そうになんでも食べる。


どうでもいいような事をさも、重大な事のように嬉しそうに話しながら食事をする彼女を見ているとこっちまで釣られてつい食が進んだ。


こんな風に毎日、楽しく食卓を囲むことが出来たなら…


ふとそんな事を思う自分にぞっとした。


僕がそんな事を思うようになるなんて。


それは彼女の真っ直ぐさにあるのかもしれない。


彼女の仕事ぶりを見ていればある程度は知っていたことだけど、僕との付き合いに対してもやはりそうであって、何とか僕の気持ちを動かそうとしているのが、見て取れた。


展示会に不似合いな服装で来たり、デートの誘いを必死でしてきたり、連絡先を聞き出したりと。


そんな真っ直ぐにぶつかってくる彼女を見ていると僕のSな部分がどうしても彼女を苛めたくなってしまう。


苛めて戸惑う彼女を見ると僕は満足した。と同時に他の奴にそんな顔見せるなと思うようになっていた。