Tell me !!〜課長と始める恋する時間

ぼんやりと目に映る白い天井をじっと眺める。


気がつくとどうやらそこは病院の一室だった。


目線をゆっくりと動かすと私の腕には点滴の針が刺さっている。


「気づきましたか、桃原さん?」


私をそう呼ぶのは…


「課長?」


「貧血だそうです。恐らく寝不足であろうと。点滴をすれば良くなると先生が仰ってました。」


「そうですか…もしかして、課長が運んでくださったんですか?」


「ええ、そうです。しかし咄嗟に頭を支えてくれたのは乾くんです。そのお陰で大事にならなくて安心しました。」


点滴の滴がポタリポタリと落ちてゆくのをじっと見つめる。課長の方へは目線をやらずに話を聞く。


そっかぁ、あの時、乾くんの声がして…それでふわりと抱き上げられた感覚は課長だったのか。


やだ、私、めちゃくちゃ重いのに。お正月過ぎてからも調子に乗って食べてたからなぁ。


ダイエットを真面目にやらなかった事を悔やんでいると、


「桃原さん、体調管理も仕事の内ですよ。」


と、課長。


こんな時でもやはり課長は課長だ。最もな事を言う。


だからか久しぶりにまともに話すけど意外にも普通に話せている気がする。


「すいません…自覚が足りませんでした。」


貧血か…。しかも飲み会の席で倒れるなんて、最近ちょっと無理してたかな。体も、心も…。


みんなに、迷惑掛けちゃったな。


ほんと体調管理も仕事の内なのにね。


「と、言いたいところですが…僕のせいですね、きっと。」


「えっ?」


ベッド脇に座る課長がポツリと言った。


私の頬にそっと触れながら。


課長の手の温もりを感じるの久しぶりだ。


課長がどんな顔をしてそんな事をいってるのかちゃんと顔を見たいのに、触れられたその手が心地よくってまた目が閉じてしまう。


「雉原に聞きました。」